【完】 After Love~恋のおとしまえ~
思わず笑みがこぼれてしまう。
あのとき、サトシは本当に心霊写真を撮ろうと思ったのか、それともそれは照れ隠しの口実で、本当は私の写真が欲しかったのか。
どちらなのかは分からないけど、こうして撮ったばかりの私の写真を飾ってくれている。
それが現実なわけで。
私は、そっとサトシの背中に抱きついた。
「何?」
「好き」
「えっ? 何だよ突然」
背中越しに、サトシの照れた様子が伝わってくる。
サトシはちょっと変わっていて。空気が読めない天然君だけど。
だけど、それでも。
私はやっぱり、この人が好きだと思う――