【完】 After Love~恋のおとしまえ~
サトシが最近、谷本先生がまた四人でどこかへ行こうという企画を提案しても、難色を示すというのだ。
「四人で会うのを避けるあたり、何かあったのかなって。もちろん二人の問題だけど、……私に相談に乗れることがあればと思って」
横浜に来る用事があったというのはただの口実で、結衣子さんは、本当は私に会いに来てくれたのだという。
「良かったら何でも話してね」
「結衣子さん……」
結衣子さんの眼差しは、温かくて、優しくて。
「私も浩二も、友里ちゃんが好きなのよ。私たちは友里ちゃんの味方だからね? たとえ友里ちゃんとサトシ先生の間に何があったとしても……それでも、友里ちゃんとは今後も付き合っていきたいと思ってるから」
結衣子さんの言葉を聞いているうちに。
気づけば、涙があふれ出していた。
「友里ちゃん!? やっぱり、サトシ先生と何かあったの? なにか、悲しいこと?」
私は、ブンブンと首を振る。
「そうじゃなくて。私のことに気がついて心配してくれた谷本先生と、こうして、わざわざ会いに来てくれた結衣子さんの優しさが……」
結衣子さんを見つめ、泣きながら笑った。
「嬉しかったんです」