【完】 After Love~恋のおとしまえ~
「この写真、どういうこと? 写真の日付の日、サトシは当直って言っていたよね。当直だと嘘ついて、この子と一緒に地元に帰っていたってこと? しかも、私を連れて行ったのと全く同じ観光コースに連れて行ったのね」
トイレから戻ったサトシに詰め寄った。
「いや……それは……」
これだけの証拠を突きつけられたら、さすがのサトシも浮気を認めざるを得ないだろう。
「それは……」
私は静かにサトシの言葉の続きを待った……が。
「不思議だ」
は?
「謎だ。いやいや、本当にミステリーだ!」
サトシは口元に片手をあて、大げさに首を振った。
「何が」
「いや、俺、この写真に写っている子、全然知らないんだよ! 知らない子なんだ。こんな写真撮った覚えもないし!」
はぁ?
「おかしいぞ、よく考えてみよう。……そうだ! この写真、ひょっとしたら合成写真なんじゃないか」
「なに言ってるの?」
「だって、この日付は俺が当直だった日だろ? それはつまり、俺には当直というアリバイがあるということじゃないか! 」
えぇ!?