【完】 After Love~恋のおとしまえ~
サトシから少し怒ったような声で電話がかかってきたのは、翌日のことだった。
「友里! 俺の部屋のインターホンに、勝手にプリクラ貼っただろ!
「うん、貼ったよ?」
平静を装って答えると、サトシは、ため息交じりに私を非難した。
「そういうことするなよ」
「どうして? プリクラを貼ったら、どうしていけないの?」
サトシは一瞬黙り込んで、それから
「……友達が遊びに来た時とか、恥ずかしいだろ」
とってつけたように、そう言った。
友達?
友達じゃないでしょ。
ももちゃんが遊びに来たときに困るんでしょ。
「とにかく、はがしておいたから」
「……」
インターホンからはがされて、おそらくグシャグシャに丸めて捨てられたであろうプリクラのように……
私たちの関係も、もはやグシャグシャだ。
でもね、サトシ。
近いうちに、そこ以外に貼ったプリクラも、発見されるに違いないよ。
今度はきっと……
「ももちゃん」によって。