【完】 After Love~恋のおとしまえ~
白いマーメイドラインのスカートをはいているももちゃんは、女性らしい雰囲気の人だっだ。
写真で見たより綺麗な人だったことが、少し私を萎縮させたけど……
私だって、今日は服もメイクも勝負モードだ。
負けてない、負けてない、と、なんとか自分を奮い立たせる。
携帯に目を落としながら歩いているももちゃんは、彼女に近づいていく私の存在にまったく気がついていないようだった。
ももちゃんのすぐ近くまで行くと、私は小さく深呼吸をして……
「すみません」
彼女に声をかけた。
私の声に反応し、ももちゃんが顔を上げる。
次の瞬間……
「あっ」
私の顔を見たももちゃんは、目を見開いた。
「あの……」
ももちゃんの驚きように、私も驚いて言葉がつまってしまう。
「えっと……」
だけど、こっちから声をかけたのだから、何か言わなくては。
えっと、えーっと……
しかし、私が何かを言い出すまえに、ももちゃんが口火を切った。
「友里さん、ですよね」