【完】 After Love~恋のおとしまえ~


「悪いけど、私ね、今、他に好きな人がいるの。それに、もう何を言われても、何をしてくれても、サトシのことは信じられないと思う」

サトシが今、戻ってきたとしても。

またいつかももちゃんのような人が現れたら、サトシはそっちに行くかもしれない。

私にとって「サトシと付き合う」ということは、そんな不安をずっと背負っていくということだ。

そんな不安をかかえながら付き合いつづけるなんて、私にはできない。

ようやくゼロにした関係を、再び始めるつもりは、もうなかった。

なのに。

「そんな言葉は、聞こえない」

サトシは耳をふさぐ。
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