【完】 After Love~恋のおとしまえ~
「サトシ、あまりにも勝手すぎない? 浮気して私を振ったのはサトシの方でしょ? それを今になって戻ってきて、信じてくれって言われても」
「だから! そのことについて謝ってるし、一生かけて償うって言ってるじゃないか!」
「サトシ、ももちゃんと上手くいかなくなったの? だから、戻ってきたんじゃないの?」
「違う。彼女を選んだのが、間違いだったと気づいたから」
「どうして気づいたの? 上手くいかなくなったから、そう思ったんでしょ?」
「……これは、俺と友里の問題で、ももちゃんは関係ないから話に出すなよ」
いや、ももちゃんは思いっきり関係あるでしょう。
「ももちゃんは関係なくないよ。むしろ、すべての始まりはももちゃんだったじゃない」
「じゃあ、百歩譲って始まりはももちゃんだったとしても。今はもう関係ない。今は関係ないということは、今回の俺と友里の復縁に、ももちゃんは関係ないということだ」
相変わらず、筋の通らない理屈を押し通すのね。
「もう、いい。じゃあ、こっちも百歩譲ってももちゃんが復縁に関係ないとしても、いずれにしろ、私はもうやり直すつもりはないから。他に好きな人がいるって言ってるでしょ」
「……」
「サトシさぁ、私がずっとどんな気持ちだったか分かる? 好きな人が他の誰かに心を動かしていくのを見ていて、どんなに悲しかったか分かる?」