【完】 After Love~恋のおとしまえ~


サトシとももちゃんのことに気づいてからというもの、私はずっと願ってきた。

ももちゃんとの間で揺れる気持ちは許すけど、「お願いだから、最後には私を選んで」と。

私を選んでくれたなら、「友里を選んで良かった」と思ってもらえるように、絶対にそう思ってもらえるように、精一杯頑張るから……と。

だけど、サトシはももちゃんを選んだのだ。

「あのとき……私の方を選んで欲しかったよ」

本当に、それだけがあのころの私の願いだったのに。

「だから、選択を間違えたこと、後悔してるって言っているじゃないか!」

「後悔しても、遅いことだってあるの」

「俺はそうは思わない。人生はいくらだって、やり直せるはずだ」

「自分次第のことならやり直せるかもしれないけど、相手がいる物事の場合は、やり直せないことだってあるわ」

しばらくの沈黙の後、サトシがこんな妥協案を示してきた。

「分かった。じゃあ俺は、運転手でいい」

「え?」
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