【完】 After Love~恋のおとしまえ~
「財布がわりでもいいよ。友里がどこかへ行くときは車で送るし、帰るときは迎えにいく。何か買いたいときは、支払い担当で呼んでくれれば、俺が払う。それなら友里も便利だろうし、俺がそばにいても、迷惑じゃないだろ?」
無理に作る、サトシの笑顔が痛々しい。
なんで?
そんなことしても、意味ないでしょ?
そんな風にプライドまで捨てて私と一緒にいたって、お互い幸せじゃないじゃない。
私が思うに、サトシは上京して以来、私とももちゃんの他には親しい女性は作っていなかったのだと思う。
だから、ももちゃんとダメになったら、消去法により「もう俺には友里しかいない」という発想になったのだと思う。
サトシが私に執着するのは、きっとそれだけのこと。
いつか他の誰かに言い寄られれば、そっちに行くに決まってる。