【完】 After Love~恋のおとしまえ~
「言ったでしょ。もう他に好きな人がいるの」
「そんなに簡単に、心は変わってしまうのか?」
「サトシにそれを言う資格ある?」
「そうだけど」
サトシがうつむいた。
「簡単に変わったわけじゃないよ。サトシのこと、なかなか忘れられなかったし。会えない日々は、寂しくて悲しくて辛かった。それに……」
一瞬迷って、目を伏せて。
それから視線を上げると、サトシの瞳をまっすぐに見つめ、私は言葉を続けた。
「私、今でもサトシのことは好き。大好きよ」
これが私の、偽りのない気持ち。
「だったら!」
サトシはぱっと顔を上げ、両手で私の肩を掴んできた。
「だけど、それでも」
私は首を振る。