【完】 After Love~恋のおとしまえ~
サトシが公園の中に向かって歩きだしたので、私もその後を追う。
サトシが、歩きながら口を開いた。
「昔、占いをしたろ。線香花火の火の玉が最後まで落ちずに燃えたら、俺と友里は永遠に別れないって」
「うん、したね」
「あの占い、はずれたな」
「え? だって……」
確かあのとき、火の玉は落ちてばかりで。
最後の一本の線香花火の行方は、私たちは見ていなかったと思うのだけど――
「俺さ、実は後日、もう一度一人でやったんだ。線香花火」
「え?」
「あの占い……絶対にいい結果を出したくて」
「それで、わざわざ?」
「ああ。それで、ちゃんと最後まで火の玉を落とさないことに成功したんだけど……結局は占いははずれたな」
まさか、サトシが後日、一人でそんなことをしていたなんて。