【完】 After Love~恋のおとしまえ~
ひとしきり笑ったあと、
「そういえば、さっき車の中が見えたけど、カーナビつけたのね」
ふいにそのことを思い出し、私はポンっと手を叩いた。
サトシは稀に見る方向音痴で、いつもドライブのとき、私は苦労させられていた。
けれども機械音痴のサトシは、決してカーナビを買おうとはしなかったのだ。
それなのに。
「あぁ、カーナビ、便利だよ、すごく」
どういう心境の変化で買うことにしたのだろう。
「使い方覚えた?」
「当たり前だろ、使い方くらい分かるよ」
「昔は私が言ってもなかなかカーナビをつけようとしなかったのに、どうしてつけることにしたの?」
「んー……」