【完】 After Love~恋のおとしまえ~



車はお台場方面へと向かっていた。

かつて、二人で何度も訪れたことのある場所だ。

「――ところで、今日は、彼には何て言って出てきたわけ?」

サイドミラーと後方にさっと目を走らせ、サトシが車線を変更をする。

「正直に話して来たよ。元カレと再会してくるって」

「へぇ」

「サトシは? 私と会うこと……」

「もちろん話してきた。俺、彼女に隠し事は一切しないから」

日が沈みはじめた空には、薄紫に淡い桃色やオレンジ色が混じった、まるで絵画のような美しいグラデーションが描かれていた。

徐々に混みはじめた道路には、先を行く車のテールランプが並んでいる。
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