【完】 After Love~恋のおとしまえ~
「それにしても、友里さんは結婚前の一番楽しい時期なんでしょうね。今はどんなことしてるんですか? 新居探しとか?」
クラブハウスサンドに手をかけながら、カナさんが微笑んだ。
「あぁ、住まいは、一緒に暮らしはじめたときに彼が建ててくれた家があるので。そこに」
「すでにマイホームがあるんですか、いいですね」
「んー、でも」
私は、カナさんの手にしたサンドイッチを見ながら答えた。
「最近、その家のことで悩んでることがあって」
「え?」
「その、サンドイッチみたいなものが……」
「サンドイッチが?」
「たまに、家の前においてあるんです」
「は?」
「実は――」