【完】 After Love~恋のおとしまえ~
このところ、何故か不思議なことに、家の前にサンドイッチが置いてあることがあるのだ。
しかも、むき出しの状態で。
最初は、そのままの状態で家の前にぽつんと置いてあったのが、最近は踏みつぶされていたりする。
明らかな嫌がらせ。
誰がこんなことをするのだろう。
「やだ、気味悪いですね」
「そうなんですよ。賃貸だったら引っ越せるけど、持ち家だと簡単には引っ越せないところが難だなぁって思ってたんです」
カナさんが、ぎゅっと拳を握りしめた。
「そういう陰湿な嫌がらせ、私、絶対に許せない! ああ、私が友里さんの近所に住んでいたら、電柱のかげから見張ってて、犯人をとっつかまえてやるのに~」
悔しそうに拳を振り回すカナさんは、感情表現が豊かで、裏表のなさそうな人だった。