【完】 After Love~恋のおとしまえ~
偽名で祝電を送ってくるなんて何を考えているのだろう、と思いきや、のちに聞いたところによると、
「友里の友達に俺の名前知られているだろ? 元カレから祝電なんて、なんか意味深で怪しまれるかと思って」
とのことだった。
だったら祝電なんて送らなくても、前日のプレゼントに添えられたカードだけで十分だったのに。
そもそも、そんな偽名じゃ、サトシの名前を知っている人には結局バレバレだし。
「だけど当日、何かせずにはいられなくてさ。どうしても祝電を送りたくなっちゃったんだ。俺の気持ちを伝えたくて」
そんなことしなくても、十分サトシの気持ちは伝わっているってば。
でも……
「ありがとう」
私の幸せを見届けてくれて。
ありがとう。