【完】 After Love~恋のおとしまえ~


あとに残されたのは、翔さんが必要なものだけをスーツケースにつめて持って行ったあとの、乱雑に散らかった書斎。

「やれやれ、結局ここの片づけは私がやることになったのね」

これも妻の役目かと、ため息をつきつつ腕まくりをする。


保管すべきであろう書類はダンボールに入れ、捨てても良さそうなダイレクトメールの類などは、紙ごみとして処理していく。

それは意外と手間がかかり、午後遅くから始めた作業は窓の外が薄暗くなってきても終わってはいなかった。

「ちょっと休憩するかぁ」

座ったまま、うーん、と大きく伸びをしたときだった。

斜め上を向いた私の視線の先に、「それ」が飛び込んで来たのは。
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