【完】 After Love~恋のおとしまえ~


ところで、そもそも彼とその人が犬を介して知り合ったのは、もう二年近く前のことになる。

つまり私は、彼に二年以上も裏切られていたということになるのだろうか。

「そうとは限らないだろ。もしかしたら、とっくの昔に終わっていることかもしれないし。サンドイッチもフォトフレームも、友里ちゃんじゃなくて、彼女を振った彼に対する嫌がらせってこともありえるぞ。なんたって、花言葉が『捨てられた恋人』だったわけだしなぁ」

うんうん、と頷いた谷本先生に、「余計なことを言わないの!」と結衣子さんが耳打ちしていた。

「ああ、花言葉のことなら、もうサトシから聞きてます」と結衣子さんに告げたあとで、「でも先生」と谷本先生の顔に目を向けた。

「私、実はそのノートの他にも、見つけちゃったものがあるんです」

「何?」

「レシートです」
< 489 / 595 >

この作品をシェア

pagetop