【完】 After Love~恋のおとしまえ~
まったくもって、拍子抜けするほど簡単に、彼女は私の話を信用したようだった。
預かっているものとは何かと聞かれたので
「さぁ、リボンがかかっているので、中身は分かりません。開けてみてもいいですか?」
と聞いてみたところ、
「あ、自分で開けますのでそのままにしておいて下さい」
嬉しげな声を上げていて。
待ち合わせ場所も時間も、彼女が自らいそいそと告げてきた。
我が家の最寄駅の――つまり彼女の実家の最寄駅でもある――駅前のカフェに、三時間後の待ち合わせ。
目印として、お互いに赤いペンを右手に持っていることとなった。