【完】 After Love~恋のおとしまえ~
ウェイトレスが注文した飲み物を持ってくると、私はそれをテーブルの端に寄せ
「ところで、これらについてお話を伺いたいのですが」
バッグからあのノートとオダマキの写真立てを取り出し、テーブルの上に置いた。
まわり道はせず、直球勝負だ。
「これは、あなたが書いたノートと、あなたが送ってきた写真立て、ということで間違いないですか?」
「……」
「もうお分かりになっているようですが、私、妹ではなく澤田の家内です。私には、あなたと主人のことについて、聞く権利があると思います」
何も答えない彼女に、質問をたたみかける。
「うちの前にサンドイッチを置いていくのも、あなたの仕業ですよね?」
黙秘権を行使するつもりなのか、彼女は自分の爪を眺めはじめた。
「とりあえず、二つだけ本当のことを聞かせてください。このノートに書かれていることは事実なんですか? それから、主人とは、今でも連絡を取っているんですか?」
彼女は大きなため息をつくと、バサリと髪をかきあげながら、「ええ、そうですよ」と言い放った。