【完】 After Love~恋のおとしまえ~
「二回読んでも理解できないって言ったら、サトシには『なんで理解できないんだ』って笑われたんですけどね。今、三回目です」
私の言葉を聞いた谷本先生が、くすりと笑った。
その時、ウェイトレスが注文を取りに来たので、適当に料理を頼み――ウェイトレスが去ると
「君たちは、似たもの同士だな」
谷本先生がふいにそんなことを言い出した。
「えっ、どこがですか?」
思わず大きな声で聞き返してしまう。
サトシと私が、似てるって……どこが?
「友里ちゃんに、いいこと教えてあげようか」
谷本先生がテーブルに身を乗り出して、人差し指を立てた。
「実はこの前、職場のサトシの机の上に意外な本が置いてあったんだよ。本当に意外でさ。だって、何の本だったと思う?」
「さぁ。何ですか?」