【完】 After Love~恋のおとしまえ~
「サトシ! なんでここにいるの!?」
サトシは私の手から携帯をすっと取ると、
「結衣子さん、ありがとう。今、着きました。ここからは俺が引き受けますから」
電話の向こうにそう告げて、勝手に切ってしまった。
それから私に目を向け、「祝電打っただろ」と唐突なことを口にする。
「え? 祝電?」
「友里の結婚式のときに」
サトシは私の隣に腰を下ろすと、私の手を取り、そこに「はい」と携帯を返してきた。
「友里の今後の人生において、何かあったときは必ず飛んでいくって、祝電打っただろ。今飛んでこなくて、いつ飛んでくるんだよ」