【完】 After Love~恋のおとしまえ~
普通の親ならショックを受けるであろうこの事実を前にしても、彼女の母親は動じることがなかった。
「書いてあることについて、何を話し合うというのでしょうか。書いてあることがすべてでしょう」
「書いてあることがすべて……ということは、お母様は、ご自分の娘が既婚者と抱きあおうがキスをしようが、構わないとお考えなのですか?」
彼女の母親は、「はんっ!」と鼻で笑った。
その笑い方は、娘とそっくりだった。
そしてその母親は、私が想像もしていなかったことを返答してきたのだ。
「相手が既婚者だろうとなんだろうと、娘が恋をして、その相手と楽しく出かけているのなら、親として何の不服もありません!」
えっ、不服ないんですか!?
あまりに驚きすぎて、それは声にはならなかった。