【完】 After Love~恋のおとしまえ~
夏も終わろうとするある休日の午後、私はサトシの部屋にいた。
夜勤明けのサトシがベッドでゴロゴロとしていて、私はそのベッドに背をもたれ、パラパラと雑誌をめくっていた。
ゆるり、ゆるりと流れる、穏やかな時間。
こんな休日の過ごし方も悪くないなぁと思いつつ、コーヒーの入ったカップを口に運んだそのとき。
ふと、巻末の星占いのページが目にとまった。
「ねぇ……ちょっとサトシ、起きてる?」
カップをローテーブルの上に戻し、私はサトシの方に振り向く。
「んー?」
サトシと付き合いはじめて、三か月半。
私は、サトシに関してとても基本的なことを知らない自分に気がついたのだ。