生意気な彼は御曹司!?
「小雪。本当に俺たち、結婚しても大丈夫かな?」
相変わらず慎重な圭吾さんの手を、励ますように強く握った。
「大丈夫よ。ふたりで支え合っていきましょう。ね?」
圭吾さんはしばらく考え込むと、意を決したように顔を上げた。
「じゃあ、小雪」
「はい」
「俺と結婚して下さい」
ようやくプロポーズを受けた私の瞳から、感動という一筋の涙が零れ落ちる。
答えはもちろん、決まっている。圭吾さんからのプロポーズに返事をしようとした、その時、耳を疑うような言葉が聞こえた。
「……の、前に。小雪。実は俺、バツイチなんだ。今年五歳になる子供もいる。そして俺は別れた女房が引き取った息子に毎月養育費を払っている」
待ちに待ったプロポーズのあとに、こんなのってあり!?
突然で衝撃的な告白を聞いた私は、驚きで声も出せずに固まる。けれど呆然とする私の様子など気にも留めない圭吾さんの話は、さら続いた。
「でさ、俺、金ないし、結婚も二度目だから式は挙げなくてもいいよな? 式を挙げる金があるなら車欲しいし。小雪、結構金、貯めてんだろ?」
ええっ?? 何、それ……。
プロポーズの後にまさかのサプライズを受けた私は、頭が真っ白になった。