インフォマニア・コンプレックス
「ふーん、そうなんだ。
 じゃあ、あなたがプチ家出状態なわけですね。
 娘さんも寂しいだろうに、ねえ。」

砂場の言葉に、少し、ムッとした表情を浮かべながら、レイコが応えた。

「プ、プチ家出だなんて。そんな軽々しい無責任なものではありません。
 仕事をやる上で、より効率的に都内に宿泊しているだけです。

 主人は、私とちがって、国立大学の研究室勤めですので、マイペースで
 働けますし、娘の面倒も平日はベビーシッターを雇って、ちゃんと看て
 もらっています。
 
 その分、週末は私は、接待などの仕事が入らない限り、娘との時間を
 最優先にしておりますので、キチンとケアできています。」
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