白緑蝶"ever since【続】
貴方に触れられて、私の心は
悲しいより、嬉しい気持ちで
いっぱいになった。

会いに来てくれて、死ぬほど
嬉しい。

だけど、なぜか

わかんないけど、悔しい。

「ソラ、放して仕事に遅れる」

愛想なく、私はそう言った。

「ユラ、入って話そう」

「私、話すことなんて何も
 ないから・・・」

「いいから、入ろう」

「いいよ」

「よくねえよ、入れ」

少し、不機嫌なソラの声。

ソラに手を引かれ、私は
もう一度、部屋の中に入った。

閉まるドアと共に、ソラは私
を強くその胸に抱きしめた。
< 158 / 638 >

この作品をシェア

pagetop