白緑蝶"ever since【続】
疲れてるんだね。

眠る、ソラの存在に心が少し
落ち着いた私は寝室へ戻ろう
と、ソラの部屋のドアノブに
手をかけ扉を開いた、その時

キーと、ドアの音がした。

「あっ」

「ユラ?」

背中越しに、ソラの声。

「うん、ごめんなさい
 起こしちゃったね
 
 すぐ、出て行くから
 ゆっくり休んで・・・」

「行くな

 出て行かなくていい」

『行くな』

ソラの、その言葉が私の胸に
重く響いた。

ここに居ることを、ずっと
悩み続ける私にその言葉は
重い。

「おいで」

ソラの傍に近寄る私はドアが
少し開いてることに気づかない
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