白緑蝶"ever since【続】
かっちゃんには、私の強がり
なんて、見え見えだよね。

かっちゃんの瞳は、私の
本心を見据えてる。

「痛いよ・・・

 ソラ」

痛いのは、手首じゃない。

痛いのは、この胸。

ソラのことが恋しいって
泣いてる・・・

タクシーに乗せられた私。

ソラは乗車する前、テオさんに
言った。

「テオ、今日は戻らない
 
 帰って休め

 疲れただろう・・・」 

ソラが乗車し、閉まるドア。

ドライバーさん、私にソラ
を乗せたタクシーは沈黙が
流れる中、あの場所へと急ぐ。

車内、後部座席、私の肩を抱く
ソラ。

私は窓の外を見つめ、知らん顔
をしてる。
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