白緑蝶"ever since【続】
でも、違ったのは彼の態度。

貴方は、僕の前で唇を拭うこと
なく、嫌がる素振りひとつ見せ
ずに大人な対応をする。

動揺ひとつ見せない、その瞳に
僕が映る。

「こういった挨拶は困ります

 貴方のお国ではどうかは
 知りませんがここは日本
 わきまえて頂けますか?」

僕の胸は、ほんの少し動揺する

挨拶・・・

ほんの少し心が痛む。

テオドール、目の前に居る男は
おまえが大嫌いな、あの人だ。

嫌いな奴なんだから好きになる
ことは無いだろう?

僕は、大親友の瀬名の役に立つ
ために約束通り、貴方を愛して
いるふりをする。

そして貴方が愛する女性の想い
を掻き立てて、二人を結ばせる

それが、僕の役目・・・

『やめろよ、ふざけんな
 気持ちわりぃ
 こいつ・・・』
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