白緑蝶"ever since【続】
真っ暗な夜空の下

空には星がひとつ、ふたつ

腕を組んでお姉ちゃんと
かっちゃんのお家まで向う
途中、チカチカと赤点滅して
る信号の前でソラは屈んで
背中に親指で合図を送るの。

「ほらっ?」

「えっ?」

「乗れ」

「えっ、いいよ」

誰もいないこと分かってる
くせに辺りを見渡す私。

「いいから、乗れって
 今しかないぜ
 
 帰りは
 ゆらのものになる

 いいの?」

「そっか、じゃあ
 遠慮なく乗らせて
 頂きます」

ソラに負んぶしてもらって
見渡す世界は真っ暗だけど

空に目をやると、星にさっき
より、ほんの少しだけ近くな
った。

「きれい」

ロマンチック・・・
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