白緑蝶"ever since【続】
私は立ち止まり、振り返って
言うの。

「ソラ

 帰り道、さっきみたい
 に飛ばさないでね
 ゆっくり帰って・・・」

「ああ、ほらっ、行けよ」

私は、貴方に大きく手を振って
クリスマス一色に彩られた店内
に入って行った。

「ああ、クリスマスかぁ?」

その時、ソラの携帯電話が鳴る

「もしもし?

 ・・・そうなの?わかった
 このまま、向かう

 テオ、おまえ、場所わかる?

 じゃあ、後で」

ソラはもう一度、ユラが働く
花屋を見つめた。

ユラの耳、バイクのエンジン音
が遠くに聞こえる。

『俺を放すなよ』
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