嘘偽りの愛しい体温-Ⅱ-
「ん…ま、待ってっ…」
「どうした?」
不思議そうに目を丸くさせながら私を見つめる蓮也。私は腹部にある傷を思い出し妙に胸がドキドキと高鳴る
…見られたくない
今までした時は傷なんてなかったから気にならなかったけど、今は違う
…お腹の傷が凄く気になる
「えっと…あの……」
「里桜、大丈夫だ」
「…え」
私はいつの間にか無意識に腹部付近の服をきゅっと掴んでしまっていて、蓮也はそれに気付いたのか服を掴む手を取り私の腹部へと手を宛がった。