嘘偽りの愛しい体温-Ⅱ-
さっきの男が立っている
まさか…たまたま行き先が同じだけよね?自意識過剰なだけだと思うし気のせい気のせい
なるべく気にしない様に目と鼻の先にあるマンションへと足早に向かう
マンションのロビーにつくとオートロックを解除し、自動ドアが開かれると硝子越しに背後へと視線を向けるとその男は階段下で足を止めてこちらを見てる
…何だか凄く怖い
早く部屋に帰ろう
そそくさとエレベーターに乗り込み、高鳴る鼓動を落ち着かせ様と息を吐き出した。