嘘偽りの愛しい体温-Ⅱ-


「…ってぇ!」


「最低」



私は男の足を思い切り力任せに踏み、手が離れた隙をついて腕から逃れると玄関のドアを勢いよく閉めた


本気で最低な人


私、ああ言う人すごく苦手。もう二度と顔もみたくない



「…隙だらけだな」


「…え」



背後から聞き慣れた低い声が聞こえた途端、血の気が引いて行く様な感覚に襲われる


この声は蓮也?


一部始終…見ていたの?



< 170 / 308 >

この作品をシェア

pagetop