嘘偽りの愛しい体温-Ⅱ-
「蓮也、怪我は大丈夫なんだよね?」
「ああ、何ともない」
「そっか。良かった」
「お前がいるのに怪我してられるか。お前を残してどうにかなったり等絶対にない」
「…蓮也」
「俺だけじゃなく、お前もだからな?何かある時は俺を頼れ。嫌、何か起きる前にだ」
「うん、大丈夫。私が頼るのは蓮也だけ。これからは真っ先に蓮也に相談する」
「良い子だ」
蓮也は優しく微笑みながら、ハンドルを握っていない方の手で私の頭を撫でてくれた。