嘘偽りの愛しい体温-Ⅱ-
「育ての母親と産みの母親。二人いようが、里桜は里桜だ。俺の大事な女にかわりない」
「…蓮也」
「戸惑う気持ちもわからなくはないし受け入れるのが難しい事もわかる。お前が悩むのも無理ないだろ」
蓮也は大きな手で私の頭をポンポンと撫でてくれる。この人の言葉は本当に凄い
不安だった私の心を少しずつ楽にしてくれるんだから
「決めた。私、会う。会って話を聞いてみる」
「そうか」
うん、決めた
今ならもう迷わないから。