嘘偽りの愛しい体温-Ⅱ-
外へと出ると、マンションへと向かって風を切りながら無我夢中で走った
何だかわからないけど、凄く悲しい気持ちになって…あの場で居られなくなってしまった
あっという間にマンションの下へと着くと、ロビー前の階段付近にある柱へと背を凭れ掛けさせ立っている蓮也がいる
もしかして…待っててくれてた?
「…蓮也…れ、ん…っ…」
「里桜、よく頑張ったな」
そのまま蓮也に走り、昨日言っていた様にその胸にダイブした
蓮也は包み込む様に私の身を抱き締め、頭を撫でてくれる。よく分からないけど、堪えていた涙が溢れた。