嘘偽りの愛しい体温-Ⅱ-
「…複雑だったんだな」
「…うん」
「本当に良く頑張った」
「…蓮也」
「何だ?」
「…私、不思議と…何故か本当の母親だと確信がもてたの」
「そうか。まぁ顔がそっくりだからな。間違いないとは思ってたがな」
「…苦労したのは私だけじゃなかったんだね。あの人は私なんかよりずっと苦しんで来たんだよね」
「それは違う。お前も十二分に苦しんだ。確かに母親もそうだが、お前も色々あったと思うぞ」
蓮也…どうしてそんなに優しいの。蓮也は本当に凄く優しい。