嘘偽りの愛しい体温-Ⅱ-


「…うん。どうして、誕生日パーティーして貰えなかったのかとか今漸く分かった」


「…そうか」


「でもね、お父さんはいつも優しかったんだよ。私を大切にしてくれてた」


「お前を引き取った理由は世間体よりも、お前が大事だからじゃないのか?婚約したのは会社の為で本当は…お前の産みの母親を想ってたのかもな」


「クスクス、蓮也ってロマンチック思考だったの?」


「笑うな。あくまで推測だ」



蓮也は私の額を小突き、気恥ずかしげに視線を逸らした。



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