嘘偽りの愛しい体温-Ⅱ-
「悪い。不安にさせたか?」
「……ち、違っ」
蓮也は私の顔を覗き込むと大きな手を頬に添えて私の顔色をじっと見る
とそこへ一緒にいた女性がこちらへと歩んで来た
「久し振りね。まさか、蓮也の後を付けてきたの?」
「…違います」
「気になって仕方がないって顔に書いてるわよ」
「おい」
「何よ。本当の事じゃない。いっつもいっつも蓮也の周りをウロウロしてみっともない!目障りだわ」
「…お前…俺を本気で怒らせるつもりか…?」
蓮也は冷ややかで冷酷な表情を浮かべては、その女性の腕を掴み勢い良く引っ張る。