嘘偽りの愛しい体温-Ⅱ-


「ほう。そんな事、俺達にとって大した事はない。残念だったな」



蓮也は女性の腕を解放するや否や、今度は私の腰へと腕を回し軽く引き寄せる



「きゃ!れ、蓮也っ…」


「俺はコイツさえ傍に居てくれりゃあいい。コイツを守る為なら、どんな汚い事だろうが躊躇わねぇ」


「………何よ」


「例え相手が女だろうが…関係ねぇ。次余計な事してみろ。その時は痛い目みる事になる」


「…っ……」



女性は歯を食い縛り、泣くのを堪えながら走り去って行った。



< 251 / 308 >

この作品をシェア

pagetop