嘘偽りの愛しい体温-Ⅱ-
「それじゃあお母さん、今から分娩に入るから、私の指示に従っていきんで下さい」
お医者さんの言われた通り、しっかり耳を傾け産む事に集中する
「はい!いきんで!」
「んーっ!」
「長くいきんでー」
息が続く限り力いっぱいいきんで、また力を抜いてと、お医者さんの言う通りに数回繰り返した
―――オギャァオギャァ―――
すると暫くして、ヌルッと何かが出た間隔と共に赤ちゃんの産声が分娩室に響いた。