嘘偽りの愛しい体温-Ⅱ-


「そんな事気にするな。携帯出れねぇ時は折り返し掛ける」


「…うん。ごめんなさい」


「別に怒ってる訳じゃないからな」


「…うん」



幼なじみの様子がおかしい


俯き加減になり、小さく肩を震わせ泣くのを堪えてる感じに見える



「里桜。こいつは中学の時、母親を事故で亡くしてな。父親と暮らしてたが、その父親が金だけ残して女と消えたんだと」


「…そう、だったんだ…」



父親が女と蒸発なんて…どんな気持ちなんだろう


私と似てるけど、私よりもずっと酷い仕打ち受けたんだね…可哀想に…。



< 56 / 308 >

この作品をシェア

pagetop