嘘偽りの愛しい体温-Ⅱ-
「そんな事気にするな。携帯出れねぇ時は折り返し掛ける」
「…うん。ごめんなさい」
「別に怒ってる訳じゃないからな」
「…うん」
幼なじみの様子がおかしい
俯き加減になり、小さく肩を震わせ泣くのを堪えてる感じに見える
「里桜。こいつは中学の時、母親を事故で亡くしてな。父親と暮らしてたが、その父親が金だけ残して女と消えたんだと」
「…そう、だったんだ…」
父親が女と蒸発なんて…どんな気持ちなんだろう
私と似てるけど、私よりもずっと酷い仕打ち受けたんだね…可哀想に…。