嘘偽りの愛しい体温-Ⅱ-
「久し振りだね」
『ああ。里桜…どうした?』
「…蓮也こそどうしたの?私はいつもと変わらないよ。何を心配してるのかわからな……っ!?」
何とか気付かれない様にしなきゃって笑顔を作った矢先の事、不意に手を引かれ蓮也の胸へと抱き込まれる
蓮也…私、こんな風に優しくして貰う資格なんて、ないんだよ…
「目を腫らして、泣いてたのか?」
「…っ…こ、これは…目が痒くて擦っただけ…」
蓮也は片腕で抱き締めたまま、もう片方の手で頭を優しく撫でてくれる
やだ…また…泣いちゃいそう…。