嘘偽りの愛しい体温-Ⅱ-


「里桜、話してみろ。話さねぇと、何も伝わらないだろ」


「…っ……蓮也…」


「蓮ちゃんを裏切ったなんて、言える訳ないやんねー?」



…嘘…この声は…


…まさか



「車で待ってろと言った筈だ」


「だってつまらないんやもん。ってか、蓮ちゃんの事裏切っといてよくのうのうとそんな事出来るよね」


「……………」



裏切り?


どうしてこの子が裏切りなんて口にするの…?


蓮也は私をそっと離すと、ちらっと私へと視線を向ける



「この際だから蓮ちゃんに正直に話したら?浮気したって」



…なんで…その事…。



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