嘘偽りの愛しい体温-Ⅱ-


「…里桜、何かの間違いか?」


「…ごめっ…なさ…っ…」



ごめんなさい…間違いなんかじゃないの…私、蓮也を裏切ってしまった…


泣いたってどうなる訳じゃないってわかってるけど、涙が溢れて止まらない


どうして…こんなに大好きで愛してる人を裏切り傷付けてしまったのだろう


どうして…



「蓮ちゃん、帰ろう?」


「…里桜」


「蓮ちゃん!」



幼なじみは蓮也の腕を無理矢理引っ張る。あの時の人…幼なじみの友達だったんだ…



「…蓮也…ごめ…なさ…ごめっ…」



私は玄関のドアを勢いよく閉めた。



< 87 / 308 >

この作品をシェア

pagetop