Christmas present for you!
檻に入れられて
しばらくすると


倉庫の中に
高級車が走り込んできた


そして
ゆっくりと
優雅に降り立ったのは


仕立てのいいスーツに身を包んだ
黒人の男

大きな手には
ごつごつした金の指輪が
下品に光っている



『上手くいったか?』


『ああ。
思ったより簡単だった。

SPを撃っちまったがな。』


誘拐犯の男達と
黒人の男の会話が暗い倉庫に響く


今回の首謀者は
あの黒人の男…



そして
男は磨き上げられた革靴を
響かせながら
こちらに近づいてくる



『あなたが天下の萩乃宮財閥の
憎たらしい御曹司の婚約者ですか?』


私を見下しながら
鼻で笑った男


思い切り睨みつけてやると
面白そうにさらに顔を近づけた


『さすがは大和撫子。
気丈ですね?

でも
それもいつまでもつかな?

明日にはそのキレイな顔が
見るも無残にゆがんでいるかもしれませんよ。』


ククク…と
堪える笑いを漏らして


男は
私たちから離れる
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