Christmas present for you!
帰りの車の中
緊張と重圧から
やっと解放され安堵の息が漏れた


窓の外では
色とりどりのプレゼントを持った
男女や家族が楽しげに
通り過ぎていく





その光景を見ていると
なんだか
心がキュウっと寂しくなった



「鈴さん。」


「は、はい。」


急に呼ばれて
ハッと我に返る


「よろしければ
少し寄り道して帰りませんか?」


「え?」


思いもよらない提案に
首をかしげる

「せっかくのクリスマスイブ。
ニューヨークのクリスマスを体験しないのは
もったいないですよ。

ホテルまですぐですし
ここからは歩いて帰りましょう。」


そう言って
差し出された大きな手


もしかして
私の気持ち…気づいてくれた?


大和さんの
優しさが嬉しくて

「はい。
喜んで!」

私は笑顔でその手を取った
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