Christmas present for you!
俺は
その姿にイラッとして
中野由香里を突き放した


「悪いけど
あんたみたいに暇じゃないから。」



そして
そのまま無視して会場を出た


胸くそ悪いあの女


きつい香水の匂いが
残っているジャケットを脱ぎ
厚手のコートを着る


時間を確認して
俺は成田空港へ向かおうと
バイクのエンジンをかけた時


「芹沢君。」


今度は
さっきとは違う
猫のように高くて小さな声が
俺を呼んだ


聞き間違えか?


その声の主には覚えがある


でも

その人はここにはいないはず


そう思いながらも
声の方向を向くと

駐車場の入口に
丸い人影があった
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